洗濯爽快 洗濯槽快の洗浄性能その他に関する考察

大阪府クリーニング生活衛生同業組合 大阪府クリーニング研究所
所長 桑野富夫氏の試験調査の考察



10. 脂肪酸除去に関する考察

 人体から排出される垢には脂肪酸や中性脂肪、蛋白質などが含まれており、その他の汚れにもこれらの物質が含まれている場合が多い。

 脂肪酸や中性脂肪は微生物によって分解されたり、汚れそのものが酸化して異臭を発することは一般的にも認知されていると考えても良い。



部屋干しの際に発生する臭い物質

臭いの種類 原因物質
カビ臭い 中鎖アルデヒド・中鎖アルコール・ケトン等
生臭い 窒素化合物
足が蒸れた臭い イソ吉草酸などの短鎖脂肪酸
汗くさい 中鎖脂肪酸
ライオン(株) ハウスホールド第1研究所
及び 調香技術センター 調べ


 焼成カルシウムセラミック(洗濯槽快)は消臭に用いられるゼオライトと同様にアルデヒド類、アルコール、窒素化合物を吸着すると考えられ、また脂肪酸と結合し金属石鹸を作る作用があることから消臭性能はかなり高いものを持っていることが考えられる。

 試験的に低級脂肪酸を溶解させた液を焼成カルシウムセラミック(洗濯槽快)に通させたところ、臭いがほとんど消滅した。

 このことから洗濯後の衣類や室内のカーテンや壁などに焼成カルシウム水溶液(商品名:シュシュッと爽快)を吹きかけることでも消臭効果を与えることも可能である。



(財)日本紡績検査協会調べ

物質名 消臭率(%)
アンモニア (尿) 87.0
硫化水素 (卵の腐敗臭) 10.0
メチルメルカプタン (ニンニク・タマネギ) 12.5
トリメチルアミン (魚の腐敗臭) 70.4
アセトアルデヒト (刺激的な青臭い臭い) 30.0
イソ吉草酸 (むれた靴下のような臭い) 99.5
酢酸(刺激的なシンナーの臭い) 92.0
プロピオン酸 (低級脂肪酸 : 汗の臭い) 87.8
その他の消臭可能と思われる臭い物質
塩素臭、動物臭、加齢臭、エステオイルなど 様々



11. まとめ

 焼成カルシウムセラミック(洗濯槽快)の持つ様々な機能について検討してきたが、非常に有益性が高く、且つ、安全性も保証(化学的変化を生じない安定性がある)されていることからも有効利用されることが望ましいと考える。

 水中の硬度成分であるカルシウムイオン()とカルシウム(Ca)が混同されることで、焼成カルシウムセラミックの使用が浴中に悪影響を与えるとの判断は誤りであることは今回の実証(洗浄)試験の結果を見ても明らかである。

 この時点で存在する問題点は、カルシウムイオンが炭酸ガスと結合して出来る炭酸カルシウムが排水菅などに付着する可能性にあるが、炭酸カルシウムが生成されたとしても弱酸性の水溶液(酢酸水溶液等)によって容易に分解除去できることから解決も容易であろう。


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